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V社事例:商談フェーズ分析

成功への9フェーズと商談アルゴリズムの詳細解説

1. 商談データ定量分析

項目 CASE 1 (成功) CASE 2 (失敗) CASE 3 (成功)
商談時間 2時間28分 2時間33分 3時間44分
セールス会話占有率 83.5%
86.1%
72.2%
ラリー数 約400回 約240回 (対話不足) 約650回
セールス話速 8.6文字/秒 8.3文字/秒 8.6文字/秒

2. 事例別 定性詳細分析

CASE 1:ファミリー・雪国層 契約成功
夫婦+子供2人 福島県(雪国) 支払い不安

アプローチ手法:
ネガティブ情報(雪の影響・将来の出費)を先に提示し、技術的根拠で解消。「掛け捨て」から「資産」へのリフレーミングを実施。

▼ 原文抜粋(アプローチの根拠) 「雪が降らないときに関しては、今は太陽の光ではなく、基本的な話で言うと紫外線で発電するパネルに変わってきている。」

「8年ってなると140万円の電気は使っちゃってたんで。何にも物が残ってないんですよ。...今回のご提案って、この払ってた電気を家に使いませんかって話なんですよ。」
CASE 2:慎重・現状維持層 契約失敗
電気代が安い 論理的・懐疑的

アプローチ手法(課題):
将来のリスク(EV化・高騰)を強く訴求したが、現状の電気代が安いため響かず。即決を求める形になり、顧客の慎重さを刺激してしまった。

▼ 原文抜粋(拒否理由とセールスの返し) 顧客:「普通の人(私)がパッて買えるような値段でもないので、なんとなくまあ、そんなに変わるのかなっていう」

OP:「普通に使ってる方でも料金がいきなりこんだけ上がっちゃいますよー...もうこれ以上の好条件を求めるっていうのはもう多分今日を逃した時点ではもう来ないんですよね。」
CASE 3:専門職・本物志向層 契約成功
トヨタ系技術職 品質重視

アプローチ手法:
顧客のバックグラウンド(技術職)に合わせた共通言語を使用。安売り競争に乗らず、「品質(パナソニック)」と「納得感」で勝負した。

▼ 原文抜粋(アプローチの根拠) 「前職、あ、あの、一応、あの、あれですね、営業ではないです、技術部のほうですね。...トヨタモーターコーポレーション...」
「トヨタ1回愛知に研修したことがあって、そこの場所と一緒であれば。」

「安くしようと思えば他社でも組めます。でも、国内シェアや将来を考えたら、僕は自信を持ってパナソニックをお勧めします。」

3. 失敗事例(CASE 2)への建設的フィードバック

4. 商談アルゴリズム・フローチャート

商談の流れと、CASE 2の失敗分岐を可視化したロジックツリーです。

商談開始
信頼形成 & 現状把握
「1年分の明細で真実を見ましょう」
電気代は
高いか?
YES (高い) NO (安い)
王道ルート:コストメリット
「8年で140万円損しています。
もったいなくないですか?」
未来予測 & 品質訴求
「将来はEVが当たり前になります。
パナソニックなら25年安心です」
推奨ルート:リスクヘッジ
「今は優秀ですが、将来の屋根塗装代
120万円とセットで固定化しましょう」
🚨 CASE 2 失敗分岐
信頼不足のまま「損しますよ」
「無知はギャンブルです」と煽ると
ここで失注します。
★懸念払拭 (リスク開示)
「正直に言います。30年後には
メンテ費で50万かかります」
クロージング
「契約ではなく、まずは『審査』で
枠だけ確保しておきませんか?」
契約・審査申込完了

5. 成功への9フェーズ詳細

信頼形成 (ラポール) PHASE 01
【定義・目的】 顧客の背景(職業、出身地、趣味など)を探り出し、営業と顧客という対立構造から「共通点のあるパートナー」へと関係性をシフトさせる。
Yes取りの観点
  • この営業は単なる物売りではなく、話が通じる相手だ
  • 私の仕事や業界についてのリテラシーがありそうだ
  • 敵ではなく、共通点のある人間だ
OP1: で、あの、研修やるところっすか、もしかして。山の上?
顧客1: あ、そうです、あの、じ、ビ、ビルですね、トヨタ1丁目のとこですね。
OP1: あの、1回行きました? ...トヨタ1回愛知に研修したことがあって、そこの場所と一緒であれば。
現状把握 (ファクト直視) PHASE 02
【定義・目的】 「高い気がする」といった感覚論を排除し、実際の電気代明細(1年分)を提示させることで、客観的な数値に基づいた議論の土台を作る。
Yes取りの観点
  • 直近だけでなく、季節変動も含めた平均値が正しい現状である
  • 助成金を除いた「本来のコスト」を知る必要がある
  • この数字を基準にシミュレーションすることに合意する
OP1: 3万8795円を使っていただいてて...これが実際僕が伝えていた13か月分が見れると、去年の1月は助成金が出ていなかったので。なので支払いに行くと、例えば口座の中で引かれている数字が今でパッて見れたりすると、教えていただけたらそこの金額に戻るという計算だけなので。
課題喚起 (損失の可視化) PHASE 03
【定義・目的】 現状維持は安全ではなく、「毎月確実にお金を捨て続けている状態」であることを具体的な金額で突きつけ、現状維持バイアスを打破する。
Yes取りの観点
  • 過去数年間で、私は大きな金額を既に失っている
  • このまま何もしなければ、将来も同額以上を払い続ける
  • 「何もしないこと」が最大のリスクである
OP1: 8年ってなると140万円の電気は使っちゃってたんで。何にも物が残ってないんですよ。ただ生活に140万円使っちゃったんで、8年間で。なんで今回のご提案って、この払ってた電気を家に使いませんかって話なんですよ。
概念転換 (消費から投資へ) PHASE 04
【定義・目的】 太陽光の導入を「追加の出費」ではなく、今まで電力会社に払っていたお金の「支払先の変更(資産形成)」であると再定義する。
Yes取りの観点
  • 電気代はどうせ払わなければならない固定費である
  • 同じ額を払うなら、後に何も残らないより、資産に残る方が合理的だ
  • これは「購入」というより「積み立て」に近い感覚だ
OP1: おうちに貯金をする、だ、どこかに出るお金ではなくておうちの貯金に回しませんかっていうご提案にはなるので、あくまでも僕はちょっと否定はしたくないんですが、こことここの比較はできないんですよ、本来だと。...払うべきものは今後上がってしまって、それをおうちのお金に変えるのか、給電さんの給料に変えるのかっていうところの違いぐらいなので。
技術信頼 (品質への納得) PHASE 05
【定義・目的】 他社との価格競争(安売り)に巻き込まれるのを防ぐため、製品の品質(メーカーの信頼性、発電効率、保証)を訴求し、「高くても良いものを選ぶべき」という基準を作る。
Yes取りの観点
  • 安さだけで選ぶと、将来的な効率や耐久性で損をする可能性がある
  • 国内シェアや歴史のあるメーカー(パナソニック等)の方が安心できる
  • この営業は、自社の利益より「良いもの」を勧めてくれている
OP1: 例えば我々のラベルだけ変えるってなったらパナソニック仕入れるとか多分可能なんですけど、結局そうしたら金額的に上がっちゃうんですよ、提供するものが。なんかもうそのままパナソニックのものをメーカーで使ったものを買うほうがいいかなと。...僕も自信持ってパナソニック、はい、進めさせていただいてるんですね。
未来予測 (社会変化との接続) PHASE 06
【定義・目的】 目先の節約だけでなく、EVシフトやVPP(電力の個人間取引)など、10年後の社会インフラの変化を見据え、導入の必然性を説く。
Yes取りの観点
  • ガソリン車が減り、EVが主流になる未来は避けられない
  • 将来、家で車を充電できれば、ガソリン代も浮いて一石二鳥だ
  • 国や大手企業が動いている以上、この流れに乗っておくのが賢い
OP1: ガソリン車のほうが高く設定されちゃうんですね。今は電気自動車高いんですけど、これから先5年後とかは電気自動車のほうが高く、安くなるんで。そのときには電気自動車を視野に入れてもらって、電気自動車乗ると電気自動車から電気を引っ張れるんで、結局走りながら充電するわけじゃないですか、電気を。...それがVPP、バーチャルパワープラントっていうのが国のほうでやりますって言ってるんで。
懸念払拭 (ネガティブ情報の先出し) PHASE 07
【定義・目的】★最重要★ 顧客が懸念する「メンテナンス費用」や「将来のリスク」を、聞かれる前に営業側から提示し、誠実さを証明することで絶対的な信頼を勝ち取る。
Yes取りの観点
  • 都合の悪いこと(将来の出費)も隠さず話してくれるから信用できる
  • 30年後の交換費用まで見越しても、トータルではプラスになるなら許容範囲だ
  • 事前にリスクを知らされたので、漠然とした不安が消えた
OP1: 32年後には、ま、5、60万円ぐらいは必要だなっていう考えをしておいてください。...2年間分の電気代で相殺はできるんで、一応元は取ってるんで。なんでそっから先の5年間は貯蓄しておいてくださいねと。...32年後には調子が悪いなって分かるんじゃないかなと。はい。そういう数字が出てます。
経済試算 (シミュレーション) PHASE 08
【定義・目的】 抽象的な話ではなく、顧客の家の条件(屋根面積、使用量)に基づいた「1円単位」の収支シミュレーションを行い、経済的メリットを論理的に証明する。
Yes取りの観点
  • 私の家の条件で計算された数字なので、信憑性が高い
  • 毎月の収支がプラス(またはトントン)になるなら、家計への負担はない
  • 数字は嘘をつかないので、この結果ならやる価値がある
OP1: 太陽光の数字、こんだけいっぱい書いたんですけど、大事な数字が3つしかないんですよ。...太陽光の削減部分ですね。と余った17,000円ですね。と残り夜の料金4,200円。これしか必要ない数字ではありません。これがここのお家で作ることができるお屋根の電気の価値っていうことですね。...数字は嘘をつかないとしようと思うんで。
決断誘導 (クロージング) PHASE 09
【定義・目的】 「数百万円の契約」という重い決断を、「まずは審査を通すだけ」「枠を確保するだけ」という事務的なスモールステップに置き換え、行動のハードルを下げる。
Yes取りの観点
  • 今は「契約」するわけではなく、「審査」をするだけならリスクはない
  • 条件の良い枠が埋まってしまう前に、権利だけは確保しておきたい
  • ここまで説明してくれた担当者の顔を立てて、手続きだけは進めておこう
OP1: ご納得いただいてるんであれば、枠を取る必要っていうのが出てきてしまうんですね。...ご納得いただいてたらお申し込み書っていうお手続きは進める形になります。
顧客1: とりあえず審査通していただこうか。
OP1: そこが1番心配かもしれない。審査必要です。