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V社事例:営業音声分析(トークスクリプト)

概要と定量分析

対象データ:初訪音声5件(アポ4件、非アポ1件)

定量分析

指標 商談時間 セールス
ワード数
顧客
ワード数
セールス
発話回数
顧客
発話回数
合計
発話回数
平均
ワード数/分
平均
発話回数/分
事例①:成功 95分56秒 約6,600 約4,200 約160回 約165回 約325回 約113 約3.4
事例②:成功 84分34秒 約3,300 約1,300 約110回 約100回 約210回 約54 約2.5
事例③:成功 102分17秒 約4,500 約2,000 約200回 約180回 約380回 約64 約3.7
事例④:成功 96分58秒 約5,100 約2,300 約230回 約210回 約440回 約76 約4.5
事例⑤:失敗 73分05秒 約2,500 約1,500 約100回 約90回 約190回 約55 約2.6
指標 成功事例(4件平均) 失敗事例(1件)
セールス発話比率 約67% 約63%
顧客発話比率 約33% 約37%
平均ワード数/分 約77 約55
平均発話回数/分 約3.5回 約2.6回

分析と考察

  • 対話の「密度」と「テンポ」が成功の鍵: 成功事例は失敗事例に比べ、1分あたりの平均ワード数(会話の密度)が**約1.4倍**、平均発話回数(会話のテンポ)が**約1.3倍**高い結果となりました。これは、成功した商談が、間延びすることなく、情報密度の高い言葉をテンポ良く交わす**「活気のある対話」**であることを示しています。

元データ分析

事例①:製品比較・専門知識型

  • 顧客:情報感度が高く、自身でメーカー比較をしている若年層ファミリー。
  • アプローチ:各メーカーのOEM関係や性能差を専門的に解説し、論理的に自社推奨プランの優位性を示す。
出典:Call ID xxx-v10

事例②:サービスフック・スキーム提案型

  • 顧客:電気代高騰に漠然とした不安を持つファミリー層。
  • アプローチ:ガス点検サービスから自然に光熱費の話へ移行。「初期費用ゼロ」スキームを提示し、心理的・金銭的ハードルを完全に取り除く。
出典:Call ID xxx-v11

事例③:リスク管理・信頼構築型

  • 顧客:乳児がおり、安全・安心への関心が高い主婦。
  • アプローチ:エコキュート点検で価値提供。詐欺防止を理由にご主人の同席を求め、災害時のリスクを強調。大手企業としての信頼性で契約の正当性を担保。
出典:Call ID xxx-v12

事例④:総合力・未来視点型

  • 顧客:すでに新電力に切り替えるなど、コスト意識の高い知識層。
  • アプローチ:ガス会社の枠を超えた総合エネルギー企業としての視座を提示。国の政策や未来のエネルギー事情から、今対策を打つ必要性を説く。
出典:Call ID xxx-v13

事例⑤:シニア層・価値観転換型(失敗事例)

  • 顧客:保守的で現状維持を望むシニア層(元教員)。
  • アプローチ:「経済性」から「災害時の安心・安全」へと価値基準をシフトさせて提案。顧客の反論を一度受け入れ、最新情報でアップデートを促す。
出典:Call ID xxx-v14

失敗事例の改善策

失敗のポイント分析
顧客の実際の拒否理由: 「①わざわざ費用をかけて付けることのものでもないなと。…あと10年くらいしか生きないのに。②…このうちの向きがね。まあ、東西に向いてる。③…景観がね、みっともない。」 (匿名化)
セールスの実際の返し(原文): 「①またもうプラスで、まあ、プラスアルファで言えば災害用ですよね。…やっぱり怖いのは災害のほうじゃないですかね。…家庭を守るとか家族を守るものに関しては、ほんとに必須なんじゃないですかね。②…東西でもメリットが出るんであればどうでしょう。③…まあ、ね、以前のパネルのような黒光りするものでもないですし、まあ、マットブラックのものも増えてきてるので」 (匿名化)

この「人生の残り時間と、現状を変える面倒さ」という非常にパーソナルな拒否理由に対し、セールス担当者は正論である「災害対策の重要性」を提示しました。しかし、顧客の**「自分にとってはもう価値がない」という感情**に寄り添う前に、一般論に切り替えてしまったため、響きませんでした。

改善トークフロー案

顧客の価値観を尊重し、提案の価値基準を「損得」から「暮らしの質・安心」へと完全に転換させるアプローチが有効です。

顧客: 「わざわざ費用をかけて付けることのものでもないなと。あと10年くらいしか生きないのに。」

【改善】セールス: 「おっしゃる通りです。何十年もかけて元を取るために、今からご負担やご面倒をおかけするというのは私達も違うと思っております。」

【改善】セールス: 「ですので、このご提案は『投資』ではなく、これから先の10年、15年を『安心』して暮らすための備え、いわば掛け捨てではない『暮らしの保険』のようなものとお考えいただけないでしょうか。」

【改善】セールス: 「毎月、金額がいくらになるか分からない電気代の心配や、地震のたびに停電を不安に思うことから解放される。私達は、その『心配事が一つ減る』という価値をご提供したいんです。もし、その価値にご興味をお持ちいただけるようでしたら、一度診断だけでもいかがでしょうか。」

複数事例共通トピック

1専門家としての接点作り(サービスフック)

「営業」ではなく「インフラのスペシャリスト」として、「ガス機器の安全点検」等、顧客にメリットのある用件で訪問し、専門家として信頼を得る。

実際の発言: 「本日は、お使いのガス給湯器の定期安全点検と、簡単なクリーニングサービスで順番にお伺いしております。」

2電気料金高騰という共通の課題認識

顧客が感じている「電気代が高い」という不満を会話の出発点にし、「自分事」として捉えてもらう。

実際の発言: 「皆さん口を揃えて『ガス代も上がったけど、それ以上に電気代が大変』とおっしゃるんです。ご自宅ではいかがですか?」

3問題の深掘りと「自分事化」(再エネ賦課金の暴露)

電気代高騰の根本原因として「再エネ賦課金」を指摘し、「自分は損をしている側だ」という当事者意識を喚起する。

実際の発言: 「実はこれ、既に太陽光を設置したご家庭の売電収入を、まだ設置していないご家庭も含む国民全員で支えている仕組みなんです。」

4将来リスクの提示による問題の増幅

「更なる値上げ」「災害時の脆弱性」「国策としての義務化」という未来リスクを示し、「何もしない」ことが「悪化」に繋がることを認識させる。

実際の発言: 「万が一停電になると、ガスが復旧しても給湯器やコンロは電気がないと動きません。」

5解決策としての「初期費用ゼロ」スキーム

顧客最大の障壁である金銭的ハードルを「初期費用ゼロ」という提案で覆し、「家計からの持ち出しがない」ロジックを説明する。

実際の発言: 「お客様の今の家計から1円も持ち出すことなく解決できる方法があるとしたら、少しだけ聞いてみたいと思われませんか?」

6価値基準の転換(売電 → 自家消費)

「売電で儲ける」時代は終わったことを肯定し、高騰する電気を「買わずに済む(自家消費)」ことこそが現代の最大のメリットだと価値基準を転換させる。

実際の発言: 「売ることを目的にされてしまうと、やっぱりあの、もうからないんじゃないかっていう意識にはなってしまうんで…買ってる料金が高すぎるんですね。」

7長期保証と企業の信頼性によるリスクヘッジ

「25年の長期メーカー保証」と「大手企業グループの工事保証」をセットで説明し、物理的リスクと企業の信頼性に関する不安を払拭する。

実際の発言: 「弊社としては大手ガス企業の保険っていうのがありまして、工事保証ですね。…屋根と家財まで直す保険があります。」

8低いハードルでの着地(無料シミュレーションの提案)

初訪のゴールを「契約」ではなく、「無料の診断・シミュレーション」に設定し、顧客が「Yes」と言いやすい状況を作る。

実際の発言: 「この仕組みがお客様のお宅で成り立つかどうか、一度、無料で診断シミュレーションをさせて頂けませんでしょうか?」

トークスクリプト①【フック型】

「こんにちは、〇〇ガスグループの者です。今、ガス機器の定期安全点検と簡単なクリーニングでお伺いしておりまして。5分少々お時間よろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます、失礼します。(コンロを見て)わ、むちゃくちゃおしゃれですね。きれいに使ってらっしゃいますね。」

「そうですか?一応毎日拭くくらいはしてますけど。」

「素晴らしいです。…ちなみに奥様、このコンロの電池って、お知らせランプが点いてから交換されてますか?実は、電池が切れかけの状態で使っていると、機器の寿命を縮めてしまうことがあるんです。以前お伺いしたお宅では、年末に必ず交換するって決めてる方がいらっしゃって、その方のコンロ、22年持ったそうです。」

「22年!すごいですね。」

「ええ。…ところで、最近弊社のほうで、ガスと電気をまとめにされてる方って増えてきてるんですけど、〇〇様のお宅ではいかがですか?」

「うちは電気は別の会社ですね。少しでも安くしようと思って。」

「さようでございますか。皆様工夫されてますよね。ただ、せっかく電力会社さん変えたのに、電気代の値上がり幅がすごすぎて、以前に変えたときと1年経ったらトントンになってる、なんてお声もよく聞くんですよ。」

「ああ、確かにそうかもしれないです。高いですよね。」

「ですよね。もしよろしければ、一度、電気の検針票を拝見させていただけませんか?どこで損しているか、プロの視点からアドバイスできると思うので。」

「はい、これですけど…。」

「ありがとうございます。(検針票を見ながら)…奥様、この中の『再エネ賦課金』という項目、これが何のお金かご存知でしたか?」

「いえ…気にしてなかったです。なんですか、これ。」

「これ、実はですね、太陽光を付けているお宅が電気を売ったお金、そのお金を電力会社だけではまかないきれないので、一般の皆様のご家庭様からも徴収をさせていただいて、太陽光を付けてる方にお支払いしているお金なんです。」

「え、そうなんですか!?じゃあ、うちも払ってるってことですか…。」

「はい。そしてこの金額は、国の流れで今後もどんどん上がっていきます。それから、もう一つ。最近地震も多いですが、万が一停電になった場合、ガスはすぐに復旧できても、給湯器やコンロはコンセントが刺さってるんで、電気が来ないと使えないんですよ。」

「ああ、確かに…それは困りますね。」

「ですよね。そこで、です。もし、この問題をお客様の今の生活水準を変えずに解決できる方法があるとしたら、少しだけ聞いてみたいと思われませんか?」

「持ち出しなく…ですか?」

「はい。私達がご提案しているのが、設置にかかる工事費や足場代といった初期費用を、今回のこのエリアでの限定企画として、弊社が全額負担させていただくという特別なプランです。」

「そして設備代は月々分割でお支払いいただく形になります。ですが、ここからが仕組みでして…。例えば、太陽光を付けることで、削減できる電気代が1万円、余った電気の売電収入が5,000円生まれたとします。そうすると、合計で1万5,000円の経済効果が屋根に生まれるわけです。もし、月々の設備のお支払いが1万2,000円だったとしたら、この生まれたお金の中から返済に回すことができるんですね。」

「なるほど…。」

「はい。ですから、お客様の生活水準を一切変えずに、将来のリスクに備えることができるんです。昔と違って、今は売電で儲ける時代じゃありません。今後も上がり続ける30円、40円の電気を『買わずに済む』自家消費が一番のメリットなんです。」

「話は分かりましたけど、本当にうちでそんなにメリットが出るのか…。」

「良いご質問です。もちろん、この仕組みがすべてのご家庭で成り立つわけではありません。屋根の形や日当たりなど、条件が合うご家庭は、正直なところ全体の2割から3割しかいらっしゃらないんです。そこで一度、この仕組みがお客様のお宅で成り立つかどうか、無料で診断シミュレーションをさせて頂けませんでしょうか?」

「…分かりました。じゃあ、見てもらうだけならお願いします。」

「ありがとうございます!では、診断に必要になりますので、お持ちのご自宅の図面を、私のスマホで写真に撮らせていただいてもよろしいでしょうか? これだけで結構ですので。」

トークスクリプト②【ダイレクト型】

「こんにちは、株式会社〇〇の〇〇と申します。(名刺を渡しながら)本日は、先日お問い合わせいただきました太陽光発電システムの件で、詳しいご説明に伺いました。貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。」

「はい、どうぞ。よろしくお願いします。」

「ありがとうございます。本日は、まず〇〇様が太陽光をご検討されている背景やご懸念点をじっくりお伺いし、その上で最新のエネルギー事情と私達のご提案がどのようにお役立てできるかをお話しできればと思います。30分から40分ほどお時間を頂戴できますでしょうか?」

「はい、大丈夫です。」

「ありがとうございます。早速ですが、色々とお調べいただいている中で、特に気になっているメーカーや、ご不安に思われている点はございますか?」

「はい、他社の話を聞いたんですが、DMMとか長州産業が気になっています。ただ、将来パワコン交換で高額な費用がかかると聞いて、結局ずっとお金がかかるのが嫌で、一度やめてしまったんです。」

「なるほど、将来の追加コストが一番のご懸念点ですね。情報収集が本当にお詳しくていらっしゃいますね。実は、その点がこの数年で最も進化した部分なんです。今では最大20年や25年という長期保証が付いた製品が主流になっており、お客様がご心配されているような、支払い期間中の大きな追加コストのリスクはほぼなくなっています。」

「そうなんですね。保証がそんなに長くなっているとは知りませんでした。」

「ええ。それから、もう一つ皆様が驚かれるのが、毎月の電気代の仕組みです。より具体的なお話のために、もしお手元にあれば検針票を拝見してもよろしいでしょうか?」

「はい、これです。」

「ありがとうございます。(検針票を見て)やはりこの『再エネ賦課金』の負担が大きいですね。国の政策として、太陽光を付けていないご家庭が、付けているご家庭の売電を支えている、という仕組みなんです。」

「お話をまとめますと、ご懸念は『将来コスト』、そして課題は『コントロールできない電気代』。この2点を解決する必要があります。そこで私達がご提案するのが、お客様の自己資金を使わずに導入できるプランです。ご懸念の将来コストは長期保証でカバーし、月々のお支払いは、太陽光が削減してくれた電気代の中から充当していただくため、実質的なご負担なく導入いただけます。」

「初期費用はかからないということですか?」

「はい。工事費や申請費など、すべて弊社で負担いたします。お客様には、今の電気代が、形を変えて太陽光の設備代になるだけ、とお考えいただければと思います。もちろん、総額は今よりお安くなるように設計します。」

「まずは、お客様のご自宅でどのくらいのメリットが出るのか、またご予算内で最適なメーカーの組み合わせがどうなるのか、詳細なシミュレーションをしてみませんか?もちろん無料ですし、シミュレーションをしたからといって契約を迫るようなことは一切ございませんので、ご安心ください。」